高齢の犬が健康を維持するための適切な食事と食事習慣を確保するのが重要なんだって!
高齢犬は消化機能が低下し、必要な栄養素を摂取する能力が落ちる可能性があります。良質なタンパク質、カルシウム、リン、オメガ3脂肪酸を含む食事を提供することが重要みたい!
老犬介護・ケアの基本!愛犬が健康なシニアライフを送るために必要なこととは?
シニア犬に少しでも健康的な生活を送ってもらうためには、どのようなケアや配慮が必要なのでしょうか。今回は、知っておきたい老犬・シニア犬介護の基本ポイントをご紹介します。
老犬介護の基本1:老犬の食事ケア
食事について
老犬になると消化機能が低下し、栄養を吸収しにくくなります。タンパク質の合成能力も低下し、タンパク質不足から筋肉量も低下し、免疫力の低下や貧血を引き起こします。筋肉量を維持するためにはタンパク質(アミノ酸)が必要です。できるだけ良質な動物性タンパク質を摂取し、消化の良いものを心がけましょう。
同様にカルシウムの吸収率も低下し、骨が弱くなります。カルシウムとリンをバランスよく摂取することで、骨粗鬆症も予防できるはずです。
また、オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸、EPA、DHA)は、脳や神経系を助け(認知機能の向上)、血流を改善し、皮膚のバリア機能に働きかけ、抗炎症作用(皮膚炎、関節炎、腎臓病など)を発揮するため、こちらも積極的に摂取したい栄養素です。これらの脂肪酸を含むフードを選ぶか、原材料やサプリメントを通じてペットの食事に加えることをお勧めします。
EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)はα-リノレン酸から変換されて体内に取り込まれますが、犬はこの変換に必要な酵素をいくつか持っています。しかし、高齢犬の中にはα-リノレン酸を変換できない犬もいます。
参考までに、オメガ3脂肪酸もオメガ6脂肪酸も体内で合成できず、食事から摂取しなければならない必須脂肪酸です。お互いに影響しあって、上記のような効果が期待できると考えられています。オメガ3系脂肪酸は亜麻仁油やエゴマ油に、オメガ6系脂肪酸はサーモンオイル、マグロやイワシなどの魚油、月見草油などに多く含まれるが、過剰摂取は有害である。
また、高齢者は腸の機能が低下しているため、便秘や下痢が起こりやすい。便秘を防ぐには、食物繊維を十分に摂る必要がある。腸内細菌も変化・減少しやすいので、時々ヨーグルトを与えることが望ましい。ガイドの愛犬の場合、2~3日に1回程度ヨーグルトを与えていた。
また、人間も犬も加齢とともに体が酸化すると言われている。そのため、抗酸化作用のある栄養素や食品に注目したい。例えば、以下のようなものが挙げられる。
-ビタミンE-。
かぼちゃ、ほうれん草、にんじん、ブロッコリー、いわし、うなぎなど。
-ビタミンC
りんご、オレンジ、ブロッコリー、芽キャベツ、ほうれん草など
-βカロテン
にんじん、ほうれん草、かぼちゃ、ひじき、わかめ など
-ポリフェノール(フラボノイド)
りんご、バナナなど
これらの食品は時々食事に取り入れるべきである。ただし、与える量や回数は、愛犬の状態に合わせて調整する。
■食事の与え方
高齢になると、食べる量が減ったり、硬いものが食べにくくなったり、好みが変わったりすることがあります。愛犬が食べやすいように、シニア用の柔らかいフードに切り替えてあげましょう、
・シニア犬用の柔らかいフードに切り替える。
・フードをお湯やスープ(ドライフードの場合)に浸してやわらかくする。
・トッピングやスープを加えて食べやすくする。
・食欲はあるのに食べない場合は、フードを変えてみる(豚肉から鹿肉に変えるなど)。
・自力で食べるのが難しい場合は流動食を利用する。
ただし、消化機能も低下していることを考慮し、1日の食事量はそのままで、食事の回数を少し増やすことが望ましい。
シニア犬は運動量が減るため、水を飲む量も減り、飲みたくても水飲み場まで行くのが困難になることがあります。できるだけ水を飲めるように、ウェットタイプのフードや液状の多いフードを使用するとよいでしょう。
食事の時に立って食べることができる犬でも、足が立たなくなり、頭を下げて食べることが次第に負担になってくることがあります。そうすれば体への負担も軽くなる。
ちなみに盲導犬の場合、前庭疾患により首が曲がり、頭の動きも不安定です。重要なのは、犬がいかに食べやすいかを考えることだと思います。
床が滑りやすいことに加え、食器を床に置いて食べさせると、犬が足を滑らせて床に立てなくなり、食べにくくなることがあります。そのうち食べなくなり(食べられなくなり)、飼い主さんは「食欲がないのかな」と心配になりますが、これは床が滑りやすいせいかもしれません。そのような場合は、テーブルの上に食器を置き、テーブルの周りに滑り止めのマットを敷くことをお勧めします。
(※犬の足腰のためにも、小さい頃から滑りにくい床で生活させるのがベスト)
次に、自力で立てなくなった犬には、フセの姿勢を保てるならその姿勢で、それが無理なら抱っこして支えながら食べさせる。それが不可能な場合は、犬を抱きかかえ、支えながら食事を与える。これが不可能な場合は、犬を抱きかかえ、体を支えながら食事を与える。横たわったまま食事を与えると、犬が食べ物を飲み込めず、食道に詰まってしまうことがある。
流動食を与えている犬の場合は、シリンジ(針のない注射器)、ハチミツ入れ、ドレッシングボトルなどを使って、口の横から少しずつフードを流し込む。このとき、注意しなければならないことがひとつある。犬を抱いて食べさせるとき、空を見上げるようにあごを上げすぎると、誤って気管に入ってしまうことがあるので特に注意すること。
老犬介護の基本2:老犬の運動
老犬になると運動不足になり、寝ていることが多くなります。そのため、動きたがらず、散歩をサボってしまうこともあります。しかし、動かなければ筋力は衰え、関節は硬くなります。また、刺激のない生活は認知症の原因にもなる。
ちょっとした運動や外気に触れるだけでも、体や脳が刺激され、心身に良い影響を与えるので、無理のない範囲で適度な運動をさせてあげることが大切です。
自分で歩ける犬の場合は、自分のペースでゆっくり歩くだけでも大丈夫です。シニア犬はちょっとしたケガをしやすいので、散歩に行く前に軽く関節を動かしたり、マッサージをしてほぐしてあげるとよいでしょう。
散歩は若い頃より短めにし、体調を見ながら適宜休憩を取るようにしましょう。忙しいスケジュールの中では難しいかもしれませんが、状況が許せば、距離を短くする代わりに散歩の回数を増やしてもよいでしょう。
また、運動機能に問題がなければ、階段(低く深い段差)や緩やかな坂道をゆっくり上り下りするのも良い筋力トレーニングになる(ただし短距離に限る)。立ち上がる⇒立ち下がる⇒立ち上がる」、「立ち上がる⇒立ち上がる」、「立ち上がる⇒立ち上がる」、「丸めたタオル数枚の上に立つ」などの室内運動も筋力やバランスのトレーニングになるので、散歩に行けないときに試してみよう。また、バランスディスクやバランスボールを使うのもよい。
足が不安定な犬には歩行補助具がおすすめです。上記の運動はリハビリ効果も期待できますので、すでに運動機能に問題がある犬や歩行が困難な犬でも、状況や運動の内容によっては使用できる場合があります。そのため、動物病院や専門医に相談することをおすすめします。
立つことができない犬や寝たきりの犬には、体を仰向けや立位にするだけで、筋力トレーニングや精神的な刺激を与えることができる。脚の屈伸運動やマッサージも、コリの予防や血行促進につながるので、日常のケアとしておすすめです。
ペットを抱っこしたり、カートに乗せて新鮮な空気に触れさせるのもよい。そうすることで、心身の健康に良い影響を与えることは間違いない。
基本3:老犬が安心して眠れる場所
今まで自分だけの場所で寝ていた犬が、家族が集まるリビングや飼い主のベッドの近くで寝たがることがあります。家族と一緒だと安心するのかもしれない。一方で、騒音を嫌うようになるかもしれません。いずれにしても、できるだけ家族が見守れる安全な寝床を作ってあげることをおすすめします。可能であれば、そのような場所を2~3か所作るのが理想的です。
また、シニア犬は体温調節が難しく、眠りが深いため、気温の変化に気づきにくいことがあります。夏は寝床をエアコンの冷気にさらさないようにし(冷やしすぎは下痢や関節炎の悪化を招く)、冬はヒーターに当たり続けることによる低温やけどに注意しましょう。
温度だけでなく、湿度にも注意が必要です。犬は暑さよりも湿度に敏感です。犬は湿度が50~60%くらいだと快適ですが、人間の目線より低いところで生活しているので、犬の目線で時々温度と湿度をチェックすることが大切です。
それから、ちょっとわかりにくいのがベッド。特に寝たきりの犬の場合、床ずれを防ぐためにもベッドの素材は気になるところです。近年は、体圧分散効果で床ずれを起こしにくいといわれる高反発マットが注目されています。高反発のメリットは、寝返りが打ちやすく、犬が起き上がりやすいことです。
しかし、寝相の悪い犬などには、体を包み込むような感触の低反発マットの方が適している場合もあります。
とにかく床ずれを防ぎたいのか、熟睡してほしいのか、バタバタするのでなるべく落ち着いて寝てほしいのか、体のどの部分が弱っているのか、床ずれができていないかなど、愛犬の優先順位によって少し変わってきます。
・最低限チェックしたいのは以下の点です。
・弾力がありすぎず、沈み込みすぎず
・ある程度の厚みがある
・通気性が良い
・洗濯しやすく、乾きが早い
老犬介護の基本4:老犬が徘徊し始めたときの対処法
認知症の症状が現れると、前に進むことはできても後ろに進むことができなくなったり、家具の間や狭い場所で動けなくなったり、意味もなく徘徊を繰り返したりすることがあります。(注:狭い場所に出入りできなくなるのは、認知症ではなく、単に体力の低下による場合もある)
(注:狭い場所への出入りができなくなるのは、認知症が原因ではなく、単に体力の低下による場合もある) 常に愛犬から目を離すことができるのであれば、そうしても良いが、常にそうできるとは限らない。また、家具などの隙間はできるだけふさいだり、愛犬を留守番させるときは、バスマットなどのクッション材を敷いてサークル状に散歩させるなど、愛犬がケガをしないような工夫をするとよいでしょう。小型犬の場合は、子供用の簡易プールでも代用できます。また、歩行補助ベストを着用し、背中の持ち手に長い帯を付けて高いところから吊るし、犬がくるくる回れるようにするケースもある。最近では、柔らかい素材の介護用サークルなども販売されているので、そちらを利用してみるのもよいだろう。
基本5:高齢犬の冷え性予防
シニア犬は体脂肪が少なく、代謝や体温調節機能が低下しているため、体が冷えてしまうことがあります。そんなときは、服を着せたり、犬用ヒーターを使ったりして、体を温めてあげるとよいでしょう。ペットの場合も、低温やけどを防ぐためにタオルでくるんだり、バスタオルを敷いてあげるとよいでしょう。
また、犬が寝たきりになると血行も悪くなり、足が妙に冷たくなることがある。バタ足の犬はキズもつきやすいので、靴下を履かせて冷えやケガ、床ずれを防ぐとよいでしょう。
老犬介護の基本6:老犬の排泄ケア
高齢になるとトイレを我慢することが難しくなり、尿を排泄してしまうことがあります。トイレは2~3個分のスペースがあるのが理想ですが、愛犬が庭や外でトイレを使う場合は、できるだけ頻繁にトイレに連れて行ってあげましょう。
ただし、歩けなくなってから毎回トイレに連れて行くのは難しい。できれば小さい頃から室内でトイレができればベストです。高齢だからしつけられないかというと、そうでもない。私たちのガイド犬は、高齢になってからトイレシートを使えるようになった。時間はかかるかもしれないが、犬をしつけることは不可能ではない。
次に、犬がふらついている場合はトイレの補助をし、自力での排尿・排便が難しい場合は、定期的に絞り出してあげるようにする。犬の性格によっては、介助されることに不安を感じてトイレを使えないこともあるので、犬の様子を見ながら力加減や触る場所を調節する。
おしっこが十分に排出されずに膀胱に残ってしまうと、細菌が繁殖しやすくなり、膀胱炎を引き起こしやすくなります。できるだけおしっこを出すように注意しましょう。慣れないうちは難しいかもしれませんが、動物病院でやり方を教えてもらえるはずです。
また、状況によってはオムツが必要な場合もあります。犬用のオムツも販売されていますが、人間の赤ちゃん用や介護用のオムツに尻尾用の穴を開けたものでも代用できます。太もも部分やしっぽの付け根は漏れやすいので、そこにぴったりフィットするおむつを使用することをおすすめします。ただし、おむつはかぶれやすいので、ずっとつけたままにせず、外出時や夜間など必要なときだけにしてください。
寝たきりで動けない犬の場合は、おむつをするよりもトイレシーツをお尻に巻いてあげる方が治療しやすい。いずれにせよ、オムツが必要な犬や寝たきりの犬には、お尻や尻尾の付け根あたりの被毛を短くカットしたほうが汚れにくく、お手入れもしやすい。
老犬の世話は頑張りすぎず、やりすぎず。
老犬介護生活は、長引けば長引くほど時間的・精神的・経済的負担が大きくなり、疲れ果ててしまうこともあります。特に初めての老犬介護となると、ついつい頑張りすぎたり、無理をしすぎたりしがちです。その苛立ちから、可愛いはずの愛犬に辛く当たってしまう飼い主もいる。
私自身も老犬を介護した経験があるので、その気持ちは十分理解できるのですが、気負いすぎても疲れは深まるばかりです。そうならないためには、犬だけでなく自分もできるだけ楽になる方法を考え、いい意味で手を抜くことが介護生活のコツだと思う。
それには知恵と工夫と忍耐と多少の大らかさと愛情が必要です。
シニア犬との暮らしは、長く一緒に暮らしたからこその可愛さ、喜び、幸せがあるはずです。愛犬と一緒に、かじる、かじる、大切な愛おしい時間を過ごしてほしい。一頭でも多く、健やかなシニア犬ライフを送れますように。
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