よく寝る老犬。食欲がなく、よく寝ている犬の老化度をチェック。
犬は何歳から「老犬」「シニア犬」になるのか?愛犬の老化度をチェック
犬の寿命は人間よりはるかに短いので、老化はすぐにやってきます。老化のサインにいち早く気づき、愛犬の状態に合わせたケアをすることが大切です。
最近、よく寝ている老犬って何歳?
一般的に、小型犬や中型犬は7~8歳くらい、大型犬は5~6歳くらいでシニア期を迎えるといわれています。しかし、犬の寿命が延びているため、その年齢ではまだ若い犬も多く、近年はもう少し遅い傾向にあります。それでもシニア期はいつかやってきます。今までできていたことができなくなったり、寝ていることが多くなったりするかもしれません。ある日突然、愛犬の老いや寂しさを感じるかもしれない。
でも同時に、愛犬と長く一緒にいられた喜びや感謝の気持ちも湧いてくるかもしれません。シニア犬のかわいらしさは子犬のそれとは違います。一緒に過ごした時間が長いからこその愛情も感じるでしょう。シニア犬との暮らしもとてもいいものです。
そこまできたら、今度はシニア期を少しでも楽しく健康に過ごすために何ができるかを考える必要があります。
その前に、老化のサインを見逃さないことです。兆候に早く気づけば、できることはたくさんある。老化のサインとは?順を追って見ていきましょう。
(注:以下に挙げる兆候は、必ずしも老化が原因とは限りません。病気や怪我、ストレスなど、他の原因による場合もあります。心配な場合は、動物病院で診察してもらうことをお勧めします)。
高齢犬の変化 1. 睡眠.長く眠る、夜鳴きをする
高齢になると、犬は寝ることを好むようになります。耳が遠くなり、周囲に興味がなくなり、一日中寝ていることもあります。愛犬の日常生活で次のようなサインに気づいたら、老化のサインかもしれません。
老化の度合いをチェック
■寝る時間が長くなる。
■寝ているときに起こしても、なかなか反応しない、起きない。起きてからの瞬膜(眼球を保護する半透明の膜)の戻りが遅いことがある。
■来客があったり、雷が鳴ったり、騒がしい音がしたりすると、ただ寝ているだけで反応が鈍い。来客があったり、雷が鳴ったり、騒がしい物音がしたりすると、ただ寝ているだけで、あまり反応しない。
■以前は特別な場所で寝ていたが、現在は家族の近くで寝ることを好む。
■昼夜が逆転し、昼間は寝ていて、夜になると目を覚まし、徘徊したり泣き続けたりする(認知症の症状のひとつ)。
老犬の変化 2. 意欲がある……。散歩を喜ばず、すぐに飽きる。
若いときに芸をするように仕向けられた犬は、年をとるといろいろなことに興味を失う傾向があります。年をとったからと放っておくのではなく、引き出しの中におもちゃや好物を隠す、宝探しゲームをする、散歩に連れ出す、他の犬友と触れ合うなど、適度に脳と体を刺激してあげるようにしましょう。
■老化度チェック
■他の犬や猫に興味を失う。
■来客や人の気配、大きな音にあまり反応しない。
■遊ぶが、すぐに飽きたり疲れたりする。
■散歩には行くが、あまり嬉しそうではない。
老犬の変化 3. 食欲と食事 …… フードを食べない、またはフードの好みが変わる。
犬が年をとるにつれて、食べ方や体が要求するものが変わってきます。徐々にシニア犬向きの食事に切り替えていく必要があるかもしれませんが、愛犬の食欲や嗜好の変化に気づくこともあるので、忘れずに観察しましょう。
■老化度チェック
■食欲不振 愛犬が食べ物に興味を示さなくなった。
■それどころか、食べ物に執着するようになりました。いくら食べても食べきれないほど食べる。
■食べようとしてもうまく食べられない。この場合、歯や口腔に問題がある可能性がある。滑りやすい床に食器を置くと、自分の足で立つことができず、食べることが困難である。
■犬の食事の好みが変わった。
高齢犬の変化 4. トイレの様子 粗相、便秘または下痢
高齢になると、膀胱などの内臓の筋肉が衰え、排尿を指示する神経伝達経路が若い頃のように機能しなくなります。その結果、オシッコやウンチの仕方に変化が生じますが、それが病気のせいであることもあります。加齢によるものであれば、叱るのではなく、愛犬の状態に合わせて対処するのが一番です。
■老化度チェック
■トイレを我慢することが難しくなった。トイレを我慢することが難しくなった。
■トイレトレーニングがうまくいっていたのに、おしっこが荒くなった。
■おしっこの回数が少し多くなった。
■おしっこの回数や量が減った。元気がなくなり、水を飲む量が減った。
■うんちの量が減った。排便の姿勢はあるが、なかなか出ない。便秘。食べる量が減り、内臓の働きが低下し、うんちが出にくくなる。
下痢。下痢は、消化機能の低下や腸内環境の変化によるお腹の張りで起こります。また、腫瘍などの病気が原因で下痢になることもある。(ガイドの愛犬の場合、高齢になるにつれて定期的に下痢をするようになり、後にガンが見つかりました)。このような場合は、早めに動物病院に連れて行くことをお勧めします)。
■オス犬の場合、おしっこをするときに足を上げるのが難しくなった。
老犬の変化 5. 歩く……. 足が不自由になり、歩くのが遅くなる。
犬も年をとると、人間と同じように足腰が弱ってきます。歩くのが遅くなったからといって散歩をやめるのは逆効果です。歩くのが遅くなったからといって、犬の散歩をやめるのは逆効果です。関節の柔軟性を保ちながら、筋力や血行を維持するためには適度な運動が必要です。
■老化度チェック
■歩き方がだるく、いつもより遅い。
■歩くスピードが遅くなった。
■つま先がふらつく。
■小さな段差や何もないところでつまずいたり転んだりする。
■階段の昇り降りができなくなった。階段の昇り降りがうまくできなくなった、またはまったくできなくなった。
高齢犬の変化 6. 身体と行動………. 体や足が震えたり、動きが鈍くなる。
歩き方だけでなく、動きそのものが変わり始める。
■老化度チェック
■寝た状態から固まったり、むせたり、立ち上がったりするのに時間がかかる。あるいは立ち上がれない。床が滑りやすいと目立つ。滑りやすい床は関節に負担をかけるので、小さい頃から床に滑り止めのマットを敷くなどして予防する。
■足(特に後ろ足)や体が震える。人間が高齢になると自律神経系の障害で手足が震えることがあるように(老人性振戦、固有振戦)、犬も筋力低下、ホルモンバランスの乱れ、関節の病気、神経の病気、寒さ(体温調節ができない)などで同じような震えやふるえが出ることがあります。
■動きが鈍くなる。
高齢犬の変化 7. 被毛と皮膚……。白髪が目立つようになる。白髪が目立つようになり、被毛が乾燥する。
人間と同じように、犬も被毛や皮膚に変化が表れますので、毎日のお手入れの中でさりげなくチェックしてあげましょう。
■老化度チェック
■白髪が目立ってきた 黒毛の犬では、被毛の色が薄くなってきた。
■被毛の伸びが悪くなってきた
■被毛が乾燥してきた
■皮膚にハリがなくなってきた
■フケが目立つ
高齢犬の変化 8.目が白く濁り、耳が聞こえにくくなり、体の機能が衰え始める。
目が白濁し、耳が聞こえにくくなり、体の機能が衰え始める。嗅覚は犬の五感の中で最後と言われています。シニア犬を外に連れ出して嗅覚を使って遊んだりすることは、適度な運動と良い刺激となり、脳を活性化させ老化防止につながります。
■老化度チェック
■目が濁ってきた 加齢、先天性・若年性白内障、糖尿病の影響、ケガなどが原因で白内障になることがあります。
■視力が低下した 動くものを目で追えなくなったり、暗闇で何かにぶつかったりする。愛犬の視力が心配な場合は、愛犬が気づかないうちに目の前にティッシュを落とし、それを目で追うかどうかで簡単な視力検査ができます。
■難聴。呼びかけや大きな音に反応しなくなる。
アンチエイジングで老化を遅らせる
アンチエイジングや「健康寿命」という言葉をよく耳にしますが、犬も同じです。老化を遅らせ、少しでも健康なシニア期を過ごすためには、若い頃からのケアが大切です。シニア期に入ってから慌てて対処するのではなく、若いうちからベストコンディションを保つ努力をすることが大切です。
■食事管理と歯磨き
食事は健康な体を作る源です。愛犬の年齢やライフステージ、健康状態に合わせて最適なものを考えたい。
食事といえば、食後の歯磨きも大切です。3歳以上の成犬の80%が歯周病にかかっていると言われています。人間の口の中はpH5~7の弱酸性~中性ですが、犬の口の中はpH8~8.5の弱アルカリ性なので、虫歯の原因菌が繁殖しにくく、虫歯になりにくいのです。そもそも歯周病を放置しておくと、やがて内臓疾患への影響や免疫力の低下、歯を支える骨の溶解、ひどい場合には下顎の骨が折れてしまうこともあります。全身の健康にも影響しますので、若いうちから歯のケアをお忘れなく。
■関節と歩行のケア
被毛や皮膚のケアだけでなく、愛犬の関節や歩行のチェックも忘れずに。愛犬の関節がどれくらい動くか、熱くないか、痛みはないかなどを定期的にチェックするとよいでしょう。
愛犬がいつも関節に不安を抱えている場合は、サプリメントを試してみるのもよいでしょう。ただし、サプリメントは健康食品であって薬ではないので、それだけに頼る必要はありません。獣医師によると、犬用のサプリメントは分子量が人間用とは異なるため、サプリメントを使うのがベストだという。
また、滑りやすく硬い床は、犬の関節に負担をかける。若いうちは大丈夫でも、加齢とともに影響が出てくることもあるので、生活環境にも配慮することが大切です。
■適度な運動
過度な散歩や運動は体を壊しますが、適度な運動は筋肉を維持し、ストレスを解消し、精神的な刺激にもなります。無理のない範囲で散歩を楽しみましょう。
運動といえば、バランスディスクやバランスボールには老化防止やリハビリ効果があります。ただし、運動障害やリハビリを専門とする獣医師によると、すでに関節や神経に問題がある愛犬には、ディスクはもちろん、バランスボールも使わないほうがいいそうです。愛犬がすでに関節や神経に問題を抱えている場合は、自己判断でバランスボールの使用を控えるべきです。犬の体の他の部分を傷つける可能性があるため、バランスボールを使用する前に動物病院に相談することをお勧めします。
■健康診断
また、外見からはわからない体の変化に気づくこともあるので、できれば半年に1回、少なくとも年に1回は健康診断を受けることをお勧めします。
老化はまだまだ先のことのように思えるかもしれないが、私たちはこの世に生を受けたその日からすでに老化している。先見の明を持って、防げるものは防ぎ、シニア犬を快く迎えましょう。
老犬・シニア犬のお手入れと介護の基本
現在、多くの家庭で老犬が飼われています。シニア犬の介護をできるだけ健康にするためには、知恵と工夫と忍耐、そして多少の大らかさと愛情が必要です。