犬のマーキングの意味と予防法…。なぜ犬はあちこちで排尿するのか?

マーキング行動は一見、飼い主にとって困った行動に見えるかもしれませんが、実は犬たちの自然な本能とコミュニケーションの一部なんだって。

犬のマーキングとは?なぜ犬はどこでも排尿するのか?
犬の「おしっこ」にはいろいろな種類があります!
犬がなぜおしっこをするのか、不思議に思ったことはありませんか?犬がおしっこをする理由は、排泄行為だけではありません。
私たち人間には理解しがたいことですが、「愛情表現」や「挨拶」といった社会的な意味もあるのです。
オシッコという行為に込められた意味を理解することで、その裏にある心理を読み解くことができるのです。
愛犬の気持ちがわかれば、おしっこをしたときの対応も変わってくるはずです。今回は、犬のマーキングについてお話します。
犬はなぜマーキングするの?
犬がマーキングをする主な理由は、自分の縄張りを守るためです。
犬は自分の匂いで存在をアピールすることで、縄張りを守ろうとします。
犬がマーキングをするときは、足を高く上げ、ポールなどの高い場所で排尿することで、他の犬に自分が大きくて強いことをアピールします。
小型犬のなかには、逆立ちをして高いところを狙ってマーキングし、自分をアピールする犬もいる。
マーキングは犬のかわいい意地を見せてくれる。
また、マーキングには縄張りを主張するだけでなく、さまざまな感情を表すこともあります。
犬がマーキングをする理由と対処法を詳しく見ていきましょう。
1.生活環境や家族構成の変化によるマーキング
引っ越しなどで生活環境が変わると、犬はストレスからマーキングをすることがあります。
嗅覚の鋭い犬にとって、新しい家はとても居心地の悪い環境です。
愛犬が安心して新しい環境に適応できるように、家の中を愛犬や飼い主の匂いがついたタオルで覆ってあげるなど、愛犬にとって安心できる環境を作ってあげることが大切です。
また、赤ちゃんが生まれたり、子犬や子猫が家族に加わったときなど、家族構成が変わると、犬はとても寂しがります。
そんなときは、意識的に愛犬とスキンシップをとるようにしましょう。話しかけたり、長い散歩に連れて行ってあげたりして、愛犬があなたにとって大切な存在であることを伝えましょう。
2.分離不安によるマーキング
不安症の犬は、飼い主がそばにいないと極度のストレスを感じます。また、不安からあちこちにおしっこをすることもあります。
これは、オシッコで自分の匂いを嗅ぐことで落ち着こうとしているサインで、イタズラでやっているわけではありません。
長期間家を留守にすることによるストレスが、分離不安を引き起こしている可能性もあります。
このような場合は、信頼できる主従関係を築くことが大切です。そして、一緒に遊んだり、散歩に出かけたり、お互いに楽しむ時間を作りましょう。3.
3.恐怖によるマーキング
強く叱られたり、強い恐怖を感じたりすると、犬が思わず排尿してしまうことがあります。このような場合、犬を叩いたり、強く叱ったりしてはいけません。
余計に恐怖心が強くなり、人間不信になりかねません。犬が恐怖を感じている場合は、優しく撫でて落ち着かせましょう。4.
4.カーミングシグナルとしてのマーキング
オシッコというカーミングシグナルは、犬に対して、あなたが敵意を持っていないこと、犬と友達になりたいことを示すために使われます。
≪ 他の犬に対するカーミングシグナルとしてのオシッコ
嗅覚の鋭い犬は、おしっこから重要な情報を把握することができる。犬が他の犬の前でオシッコをすることは、重要な情報源をさらけ出すことになる。
これは、相手の犬に対して敵意がなく、相手の犬を信頼している犬だけができる行為である。人間で言えば、「あなたを信頼していますよ」というフレンドリーな挨拶である。
≪人間へのカーミングシグナルとしてのオシッコ
犬はおしっこをしながら飼い主を見ることがある。この行為は非常に強い信頼の証と言われている。
人間でいえば、「私はあなたにすべてをさらけ出していますよ」という意味になる。
なぜ犬は室内でマーキングをするのか?その対策とは?
なぜ犬は家の中でマーキングをするのでしょうか?考えられる理由のひとつは、縄張りの主張です。
特に飼い主と主従関係がない場合、犬は自分のテリトリーを主張するためにマーキングをします。
マーキング対策で最も重要なことは、”なぜうちの犬はマーキングをするのか?”ということです。最も重要な質問は、「なぜ私の犬はマーキングをするのか?その原因を突き止め、マーキングの原因となっているストレスを軽減することが何よりも大切です。
室内でマーキングをしている場合、単に「ダメ!」と叱ったり、恐怖で押さえつけたりするのは、犬にストレスを与えるだけです。
叱るよりも、信頼関係に基づいた主従関係を築くことが何よりも大切です。
≪室内でのマーキング対策例
・こまめに散歩に行き、排泄の機会を作ってあげましょう。
・愛犬とたくさん遊びましょう。
・良好な服従関係を築く。
・去勢手術をする。
おしっこの失敗を防ぐには
犬が決められた場所以外でおしっこをしたとき、私たちはさまざまな感情を抱きます。
例えば、「忙しい!せっかく掃除したのに、また同じことを繰り返すのか!” 嫌がらせだ 嫌がらせだ!迷惑だ!” などなど。などなど。一般的には怒られることが多いでしょう。
しかし、犬にとってオシッコは単なる排泄行為ではないので、たとえ決められた場所以外でオシッコをしたからといって、無闇に叱るのは避けた方が無難です。
愛犬にとってオシッコは信頼関係の表現行為かもしれませんが、その反面、大好きな飼い主さんに叱られる結果となり、愛犬が理解できない事態を招くかもしれません。
それぞれの状況で、”なぜ愛犬はオシッコをしたのか?” その行動の裏にある意味を見極めることが大切です。
また、愛犬がオシッコをしたとき、慌てて大声を出せば構ってもらえると勘違いし、構ってもらうために何度もオシッコをする癖がついてしまうこともあります。
オシッコをする場所以外の場所でオシッコをしてしまった場合は、冷静に対処するのが一番です。
マーキングはオス特有の行動ではない
マーキングはオスだけがする行為ではありません。メスもマーキングをします。避妊手術をしていないメスは、約半年に一度、発情期を迎えます。
この発情期には、普段トイレのしつけができている子でも、あちこちにおしっこをしてしまうことがよくあります。メスのヒートもオスのマーキングと同じように対処してください。
また、気性の荒いメスや支配的なメスは、足を上げておしっこをすることがあります。
最後に
オシッコをする」という行為は、犬にとって私たちとは異なる意味を持っています。オシッコが単なる排泄ではないことを理解すれば、その行動の裏にある考えや感情を読み解くことができるようになります。
彼らの考えや気持ちを受け入れることが、良い関係の基礎となるのです。