犬の平均寿命は何歳?性別や大きさ別の寿命の違いと長生きの秘訣を解説
犬の平均寿命
2021年の一般社団法人ペットフード協会による全国犬猫飼育実態調査では、日本で飼育されている犬の平均寿命は14.65歳と報告されています。
獣医学の発展や飼い主の知識の向上などに伴い、犬の平均寿命は毎年少しずつ延びてきており、2010年と比べて0.78歳も延びています。
平均寿命は犬の体格ごとに異なり、超小型犬では15.30歳、小型犬では14.05歳、中型犬・大型犬では13.52歳となっています。
犬の最高齢ギネス世界記録
現在史上最高齢のギネス世界記録保持犬はオーストラリアン・キャトル・ドッグの牧牛犬Bluey(ブルーイー)で、29歳160日です。オーストラリアン・キャトル・ドッグの平均寿命は、13〜15歳であり、Blueyはこれを大幅に上回っています。
出生年を確実に証明できる犬として、現在Blueyが世界最高齢犬として記録を持ち続けています。他にも30歳を超える犬などがニュースになっていますが、出生書類がないなどの理由により公式には認められていません。
世界最長寿の犬としてギネスブックに認定されていた日本の雑種犬
日本の一般家庭で飼育されていた柴ミックス犬ぷースケは26歳9カ月まで生き、存命中の最高齢の犬として2010年12月から2011年12月までギネスブックに登録されていました。
生前、入院や事故で生死をさまようようなケガも経験したようですが、最後は老衰で亡くなったようです。雑種犬の場合はこれほどまで長生きするケースもあるようです。
小型犬・中型犬・大型犬の平均寿命
犬の平均寿命は体格によって異なり、小型犬のほうが中型犬・大型犬よりも長い傾向にあります。
犬のサイズにより老化のスピードが異なるという説が一般的ですが、そのメカニズムについてはいまだはっきりとは分かっていません。
現在、細胞分裂の回数や臓器比率の違い、特定の遺伝子の関与などが要因として指摘されています。実際、犬種別の平均寿命を見ても、上位に小型犬、下位に大型犬が目立ちます。
ここでは、小型犬、中型犬・大型犬の寿命が実際はどのくらいなのかについて詳しく解説していきます。
小型犬の寿命
ペットフード協会「令和3年全国犬猫飼育実態調査」によると、超小型犬の平均寿命は15.3歳、小型犬の平均寿命は14.05歳と報告されています。これらの犬種の平均寿命は比較的長いといえます。
中でも平均寿命が特に長い犬種としては、トイ・プードルやミニチュア・ダックスフンド、柴犬、カニーンヘン・ダックスフンドなどが挙げられます。
フレンチ・ブルドッグやパグ、ボストンテリアなどの短頭種(鼻の短い犬種)は小型犬であっても平均寿命は短い傾向にあります。これらの犬種は遺伝的に特定の病気を発症しやすいことが要因として考えられます。
中型犬・大型犬の寿命
同調査によると、中型犬・大型犬の平均寿命は13.52歳です。やはり、小型犬と比べると平均寿命は短くなります。大型犬の中でも特に平均寿命が短いのは、バーニーズ・マウンテン・ドッグです。
バーニーズ・マウンテン・ドッグは、胃拡張・胃捻転症候群や進行性網膜萎縮症、股関節形成不全、悪性リンパ腫、肥満細胞腫、血管肉腫などの病気にかかりやすいです。なるべく長生きしてもらうためには定期的な健康診断を行い、これらの病気に気をつけるといいでしょう。
性別(オス・メス)による平均寿命
一般的には性別により犬の平均寿命が異なるとは考えられていません。オスとメスでは性ホルモンに関連した病気の発症リスクがそれぞれあり、避妊手術や去勢手術で予防が可能であることが多いです。
避妊手術や去勢手術をした場合の寿命の延び率には差があり、避妊手術を行ったメス犬では26.3%、去勢手術を行ったオス犬では13.8%平均寿命が延びたとの報告があります。
避妊手術・去勢手術を行うことは犬の寿命を延ばすことに繋がることが多いです。中でも、避妊手術の効果は顕著に現れるようです。
愛犬が健康で長生きするための3つの秘訣
犬の飼い主であれば、誰もが愛犬にはできるだけ健康で長生きしてほしいと考えるでしょう。
では、愛犬に長生きしてもらうには具体的にどのような対策をすればいいのでしょうか。長生きする犬の特徴から考える長生きの秘訣を3つ紹介します。
- 散歩(運動)
- 食事
- 飼育/医療環境
それぞれ詳しく見ていきましょう。
散歩(運動)
近年は小型犬の飼育頭数が増え、室内のみでの飼育も増えています。しかし、室内での運動だけでなく、外で散歩をさせることも健康のためには重要です。
散歩の目的は運動不足の解消や肥満予防だけではなく、外のにおいを嗅いだり他の犬と接触したりすることによるストレス発散・社会性の獲得という意味でも重要です。
朝夕2回、1回15〜30分が散歩時間の目安といわれていることが多いですが、犬種・サイズ・年齢などによって個体差があるため、愛犬に最適な散歩時間を見つけることが大切です。不安な点は獣医師に相談しましょう。
食事
かつては人のご飯の残りを犬に餌としてあげていましたが、近年では犬の栄養学の研究も発展し、犬に必要な栄養素の種類や量が分かってきました。
その結果、犬の健康に配慮したドッグフードが増え、犬の平均寿命の増加に貢献していると考えられます。
一方で、現代においては肥満の犬も増えてきました。犬は胃が大きく、1回で1日分の食事をすることが可能で、一気にごはんを食べられるだけ食べてしまう癖があります。ごはんの与えすぎには注意しましょう。
飼育/医療環境
現在は犬の室内飼育が増えており、平均寿命が延びた一因であると考えられています。また、獣医療の発展により昔は治療できなかった病気も、治療やワクチンによる予防が可能になりました。
その上、飼い主の病気に対する知識も向上し、毎年の混合ワクチンの接種やフィラリア症の予防などをきちんと行っている犬が増えています。これらも犬の平均寿命の向上に貢献していると考えられます。
犬の病気について知識を得て、ワクチン接種や適切な病院受診に行くことも、長生きのための秘訣といえるでしょう。
愛犬の寿命を延ばすためにも正しい知識を身に着けよう
本記事では、犬の平均寿命や犬種別・サイズ別の寿命、愛犬が健康で長生きするための3つの秘訣をご紹介しました。犬の寿命に関する正しい知識を持つことで、愛犬との時間を有意義に過ごすことができます。
食事や運動の適切な管理はもちろんのこと、小まめなスキンシップなど、心身ともに愛犬の健康に気遣えば、きっと元気で長生きしてくれるはずです。
しかし、どんなにケアしていても病気というものは突然やってきます。そんな時、大きな負担なく愛犬に適切な治療を施してあげるためにも、ペット保険への加入を検討しましょう。